糖尿病

合併症予防のため早期の治療開始が大切

糖尿病の初期は自覚症状が乏しいですが放置していると細い血管の合併症としてしめじ(し=神経障害、め=目の網膜障害、じ=腎障害)と大きい血管の合併症として脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなります。他に認知症、ガン、骨粗しょう症、歯周病、うつ病にもかかりやすくなります。またコロナ感染症になると悪化しやすくなります。一方で初期は症状が出にくいので健康診断で初めて気が付く方が大勢おられます。下記のような症状があれば一度糖尿病の検査を受けることをお勧めします。

①しっかり食べているのにやせる。
②喉が渇く。トイレに行く回数が増える。
③疲れやすい。
④太る

糖尿病は「食べて」治す

「食べるな食べるな」と言われると大変ですし一時的頑張れてもリバウンドしますので「食べて治す」ことを意識しましょう。
【ベジファースト】一口目や野菜やキノコなどにしましょう。
【魚を食べる】魚には体に良い不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。
【朝ご飯を食べる】朝ご飯はグルカゴンを抑制しGLP1を分泌させます
【ゆっくり食べる】ゆっくり食べるとGLP1が分泌されます

楽しく運動する

糖尿病を持つ人が運動するとHbA1cが0.5以上、下がるといわれています。これは、運動でブドウ糖がすぐに消費されたり、血中のブドウ糖の量を調整するインスリンというホルモンが効きやすい体質になったりすることなどが関係しています。
糖尿病の治療で効果が特に期待できるのは、ウォーキングのような有酸素運動と筋力トレーニングです。有酸素運動の目標は、1週間当たり150分以上、スクワットなどの筋力トレーニングの目標は、週に3日です。糖尿病は長く付き合っていく生活習慣病なので「いやにならないよう」楽しく運動するのがポイントです。

減量効果のある薬が注目を浴びている

食事、運動療法でも改善しない場合は薬の適応となります。インスリン分泌能が保たれている場合、体重減少効果を持つSGLT2阻害薬やGLP-1製剤が主流になっています。SGLT2阻害薬は1日1回内服する薬で2.5~3.4kgの減量効果が報告されています。またGLP-1は週に1回、自分で皮下に注射する薬で半年から1年程度使用すると平均5-6kg痩せるというデータが示されました。糖尿病患者さんは忙しい方が多いので、より少ない投与回数で無理なダイエットをしなくても血糖値、ひいては体重を減らすことが大切です。無理をしなくても血糖値が下がり体重も下がるのでリバウンドもしにくく、当院でも多くの患者様が継続できています。

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