禁煙補助薬「チャンピックス錠」の出荷再開は、2025年上半期の予定

チャンピックス錠の欠品により影響が出ている

近年、禁煙治療を希望するにもかかわらず適切な医療を受けることができない人が増加しています。その背景には、国内唯一の禁煙補助内服薬である「チャンピックス錠」の長期欠品があります。
チャンピックス錠(一般名:バレニクリン)は、2008年に日本で禁煙補助剤として承認され、長年にわたり禁煙治療の中心的な役割を果たしてきました。しかし、2021年6月に発がん性物質であるニトロソアミン類が検出され、国内外で販売が中止されました。その結果、禁煙外来を開設していた多くの医療機関が新規患者の受け入れを停止し、事実上の診療休止状態となっています。

代替治療の選択肢

チャンピックス錠の供給停止に伴い、現在利用可能な禁煙補助薬としてはニコチンパッチ(ニコチネルTTS)が挙げられます。ニコチンパッチはチャンピックス錠ほどの効果はないものの、自力で禁煙を試みる場合よりも成功率を約2倍に高めることができると報告されています(日本禁煙学会, 2022)。さらに、禁煙治療には認知行動療法や動機づけ面接といった心理的アプローチも有効であり、薬物療法と組み合わせることで禁煙成功率を向上させることができます。

禁煙外来の再開予定

当院では、チャンピックス錠の流通が再開され次第、禁煙外来を再開する予定です。

禁煙は健康にとって重要な取り組みであり、喫煙は心血管疾患や肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのリスクを高めることが知られています。成功のためには医療機関のサポートが欠かせません。当院では、喫煙者の皆さまが無理なく禁煙できるよう、最新の治療法を取り入れたサポート体制を整えてまいります。

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