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肥満症治療薬、最も効果的なのは?最新研究から解説
近年、肥満症の治療に使われるGLP-1受容体作動薬が注目されています。では、どの薬が最も減量効果が高いのでしょうか?最新の研究結果をもとに、一般の方にも分かりやすく解説します。
そもそもGLP-1受容体作動薬とは?
デュアルG、トリプルGが開発中
GLP-1受容体作動薬は、もともと糖尿病治療のために開発された薬です。この薬は、食後の血糖値の急上昇を抑え、さらに脳に作用して満腹感を持続させることで食事の摂取量を減らします。その結果、体重の減少が期待できます。
現在、GLP-1受容体作動薬に加え、GIP受容体やグルカゴン受容体にも作用するデュアルG(GIP/GLP-1)やトリプルG(GLP-1/GIP/グルカゴン)受容体作動薬も開発されています。デュアルG受容体作動薬はGLP-1とGIPの両方の作用を活かし、インスリン分泌を促進しながら満腹感を高めることで減量効果を強化します。一方、トリプルG受容体作動薬はこれにグルカゴン受容体の活性化を加え、エネルギー消費を増やすことでさらなる体重減少が期待されています。これにより、さらなる減量効果が期待されています。
最新研究の結果:どの薬が最も効果的?
カナダ・マギル大学の研究チームが行った最新の研究(2025年1月発表)によると、以下の3つの薬剤が特に高い減量効果を示しました。
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レタトルチド(Retatrutide):トリプルG受容体作動薬。試験では48週間で体重が最大22.1%減少。
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チルゼパチド(Tirzepatide、商品名ゼップバウンド):デュアルG受容体作動薬。72週間で最大17.8%の体重減少。
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セマグルチド(Semaglutide、商品名ウゴービ):GLP-1受容体作動薬。68週間で最大13.9%の体重減少。
これに対し、従来のGLP-1受容体作動薬である**リラグルチド(Liraglutide、商品名サクセンダ)**は、26週間で最大5.8%の体重減少と、やや控えめな結果でした。
副作用や注意点は?
研究によると、これらの薬剤は一般的に安全性が高いとされています。ただし、以下のような副作用が報告されています。
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吐き気
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嘔吐
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下痢
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便秘
これらの副作用は軽度のことが多いですが、場合によっては薬の使用を中止する必要があることもあります。
肥満治療薬の課題
今回の研究では、減量効果の高さが確認されましたが、問題点も指摘されています。
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継続的な服用が必要
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減量効果を維持するためには、長期間薬を使い続ける必要があります。
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コストの問題
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これらの薬剤は高価であり、継続的な使用には経済的負担が伴います。当院は続けやすいようにお財布フレンドリーな値段にしています(ウゴービ0.25mg:2100円/本)
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まとめ
最新の研究によると、レタトルチド、チルゼパチド、セマグルチドが特に高い減量効果を示していることが分かりました。現在、レタトルチドは開発段階ですが、近い将来、より強力な肥満症治療薬として登場する可能性があります。
肥満症治療は、薬だけでなく、食事や運動の習慣も重要です。自分に合った治療法を見つけるためにも、医師と相談しながら進めていくことをおすすめします。