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肥満外来―新しい減量治療薬「ゼップバウンド」について
持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」2024.12.27日本で承認
近年、肥満治療において注目されている薬剤のひとつが、米製薬会社イーライリリーが開発した「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」です。2024年11月に米食品医薬品局(FDA)の承認を受け、現在アメリカ国内で利用可能となりました。この新しい治療薬は、肥満治療の選択肢をさらに広げるものとして期待されています。
ゼップバウンドの特徴と効果
ゼップバウンドは、週1回の注射剤で、肥満症または2型糖尿病、心血管疾患などの体重関連疾患を持つ過体重の成人を対象にしています。この薬剤は、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬として、食欲を抑え、食物摂取を減少させる効果があります。また、GIP(グルコース依存性インスリノトロピックポリペプチド)のホルモンを模倣し、食後のインスリン分泌を促進することで血糖値をコントロールします。
臨床試験の結果では、15mgのゼップバウンドを週1回投与した場合、72週間で平均体重が22.5%減少するという驚異的な成果が報告されています。この効果は、既存の肥満治療薬「ウゴービ」や「サクセンダ」と並ぶ高いものであり、多くの患者に希望を与えています。
価格と入手の現状
ゼップバウンドの定価は1カ月あたり約16万円(1060ドル)ですが、イーライリリーが提供する「コマーシャル・セービング・カード・プログラム」を利用することで、約8万円(550ドル)まで費用を抑えることが可能です。さらに、保険適用の場合、月々の負担は約3700円(25ドル)に軽減されます。ただし、これはアメリカでの事例であり、日本国内での価格や入手方法については今後の動向が注目されます。
使用時の注意点
ゼップバウンドの使用には、以下の注意が必要です:
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生活習慣の改善と併用 ―ゼップバウンドを効果的に活用するには、カロリー制限をした食事と適切な身体活動を取り入れることが重要です。薬物療法単独では十分な結果が得られにくいため、包括的な治療計画を立てる必要があります。
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潜在的なリスク ―FDAの承認時に、甲状腺癌を含む腫瘍のリスクについて明確な結論は得られていませんが、イーライリリーはこの可能性について警告を行っています。そのため、甲状腺に関する疾患の既往歴がある患者には慎重な対応が求められます。
日本国内での展望
当院では、肥満外来を通じて患者さまの健康的な体重管理をサポートしています。現在、日本国内ではゼップバウンドの利用はまだ一般的ではありませんが、ウゴービなどの肥満治療薬を活用し、患者さま一人ひとりに適した治療法を提供しています。
今後、ゼップバウンドが日本で承認される場合、さらに多くの選択肢を患者さまにご提案できると期待しています。当院では、最新の情報をもとに、最適な治療をお届けすることを目指しています。
肥満は生活習慣病や心血管疾患など、さまざまな健康リスクを引き起こす要因となります。減量を考えている方や、現在の体重管理に不安を感じている方は、ぜひ当院の肥満外来をご利用ください。