かとう内科は脳神経内科(パーキンソン病)、いびき外来、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、痛風、肥満、風邪の診療を行っている今治でおすすめの内科です。土曜日診察あり。
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パーキンソン病治療の進歩 ~レボドパ治療とその課題~
レボドパ治療の重要性
レボドパ(L-dopa)はドーパミンの前駆物質で、脳内でドーパミンに変換されることで、運動症状の改善を促します。しかし、経口投与では 「半減期の短さ」 が問題となり、効果の持続が難しいことがわかっています。
🧠 治療中の課題:
- ウェアリングオフ現象:効果が短時間で切れること
- ディスキネジア:運動過多症状が発生するリスク
- 3-OMDの蓄積:薬剤吸収を妨げる代謝産物の蓄積
2. COMT阻害剤「オピカポン」の導入

オピカポンは、レボドパと併用することでCOMTを阻害し、レボドパの効果時間を延長します。スライドによれば、Troublesome LID(運動合併症)の36%減少や、患者の「ON状態」増加が確認されています。
⏰ オピカポンの効果:
- 半減期が約2倍に
- 起床時の血中濃度が約10倍に上昇
- AUC(薬物の総曝露量)が27%増加
治療の理想:連続的なドーパミン刺激
最近のガイドラインでは、「Continuous Dopaminergic Stimulation(連続的ドーパミン刺激)」 が理想とされています。断続的なレボドパの投与では効果が切れる「オフ期間」が生じやすいため、オピカポンなどを活用した安定した治療が推奨されます。
治療の流れと工夫
- 投与頻度の調整:1日4~5回のレボドパ投与
- ドパミンアゴニスト:就寝時には持続的なアゴニストを使用
- 補助薬:エンタカポン、オピカポンで効果を底上げ
神経細胞の変化と治療経過
病初期(5年以内)は神経細胞の急速な減少が見られますが、その後はプラトーに達します。治療効果が高い**「ハネムーン期間」**も存在し、患者さんが「効いている」期間を最大化することが重要です。
まとめ
パーキンソン病治療の鍵は、レボドパを中心に、適切な補助薬を組み合わせることです。患者さんごとの病状に合わせて投薬頻度や種類を調整し、症状をコントロールすることが目指します。