内科ですが舌下免疫療法はじめました。

舌下免疫療法とは？

舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法の一種で、100年以上前から実施されてきた治療法の最新の進化形です。伝統的には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する方法が主流でしたが、舌下免疫療法は、治療薬を舌の下に置くことで、自宅で簡単に治療を行うことができます。

舌下免疫療法の開始時には、少量の治療薬から服用を始め、徐々に量を増やしていきます。初めての服用は医療機関で行い、その後は自宅で続けます。治療薬を舌の下に置き、定められた時間保持した後に飲み込みます。服用後は5分間うがいや飲食を控えることが推奨されています。

この治療法は、長期にわたり正しく行われることで、アレルギー症状の改善や、症状の長期的なコントロールが期待できます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状や、涙目、目のかゆみの改善、さらにはアレルギー治療薬の減量にもつながります。

舌下免疫療法には、口内の腫れやかゆみ、不快感、喉の刺激感などの副作用があります。また、稀ですがアナフィラキシーという重大な副作用のリスクもあり、医薬品に対する急性の過敏反応が起こる可能性があります。そのため、治療には正しい理解と注意が必要です。

薬物療法は、症状の発生源であるヒスタミンなどの物質の作用を抑え、炎症を和らげることに重点を置いています。これに対して舌下免疫療法は、体をアレルゲン（例えばスギ花粉やダニ）に慣らし、アレルギー症状を和らげたり、根本的な体質改善を目指す治療法です。

スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期には新たに治療を開始することはできません。スギ花粉が飛んでいない時期に治療を始めます。ダニアレルギー性鼻炎の場合は時期に関係なく治療を始めることができます。

舌下免疫療法は、数年間（通常は3年以上）継続して行う必要があります。この期間中、定期的な受診が重要です。

スギ花粉症の場合、最初の花粉飛散シーズンから効果が期待されます。ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療開始後数ヶ月で効果が現れ始めます。最大の効果を得るには、年単位での継続が必要です。

服用後にアレルギー反応が起こる可能性があります。強いアレルギー症状が現れることもあるため、注意が必要です。

小児を含む患者さんも治療を受けることができます。具体的な年齢制限などについては、医師に相談してください。