• トップ
  • ブログ
  • 2型糖尿病を合併したいびき・睡眠時無呼吸症候群にCPAP治療をすると糖尿病は改善するか?

CPAP治療で血糖値が改善することが示された

2型糖尿病を合併した睡眠時無呼吸症候群にCPAP治療をすると糖尿病が改善することが報告されています。
赤い線は1日の血糖値を表しています。1日3回食事をとるので3回血糖値の上昇が見られています。このような状態の方にCPAP治療を行うと赤い線から黒い線に血糖値が下がったという結果でした。食事の度に血糖値はもちろん上がりますが、CPAP治療を行うと血糖値が良くなっている事がわかります。

CPAP治療で血糖値が改善するのはなぜ?

血中ノルエピネフリンの濃度が下がるため

ノルエピネフリンはCPAP治療を行うと、24時間、すべての時間帯において血中濃度が低下していました(下図)。
血糖値の改善に影響与えているホルモンを調べるため、CPAP治療前後で血糖値に影響与えるホルモン(インスリン、成長ホルモン、コルチゾール、ノルエピネフリン)の血中濃度を測定したグラフです。インスリン、成長ホルモン、コルチゾールはCPAP治療前後で変化がありませんでした(下図)。
このことから、2型糖尿病合併しているいびき、睡眠時無呼吸症候群の患者でCPAP治療の結果、血糖値が下がったのはノルエピネフリンの血中濃度が低下したためと考えられました。

ノルエピネフリンは、交感神経終末から分泌されるホルモンです。いびき、睡眠時無呼吸の患者では、低酸素決勝による交感神経が優位に働きノルエピネフリンが過剰に分泌されるため、血糖値が上昇しやすい状態になっているのではないかと考えられます。CPAP治療により低酸素血症が改善し、交換神経優位が改善されると、ノルエピネフリンの血中濃度も正常化し、血糖値が正常化したのではないかと推測されます。

PAGE TOP