睡眠関連低換気とは、睡眠中に体内の二酸化炭素の量が増える状態

「睡眠関連低換気」とは、睡眠中に体内の二酸化炭素(CO2)の量が一定以上増えてしまう状態を指します。具体的には、二酸化炭素の量が一定値(55 Torr)以上になるか、睡眠中に10 Torr以上増加して、その結果として50 Torrを超えてしまう状況が10分以上続く場合を言います。
 

この「睡眠関連低換気」が起こる典型的な病気として、「肥満低換気症候群」があります。これは過去には「ピックウィック症候群」とも呼ばれていました。この症候群は、身体の肥満度を表す数値(BMI)が30 kg/m2以上で、目が覚めている時にも二酸化炭素の量が45 Torr以上になる状態を指します。
 

肥満低換気症候群では、体内の二酸化炭素の量が増えても、それに対する呼吸の反応が不十分です。つまり、呼吸が安定せず、反応が鈍くなっています。これは、睡眠時無呼吸の症状とは逆の状況です。
 

なお、この肥満低換気症候群の中には、呼吸道が物理的にふさがり、呼吸が困難になる「閉塞性睡眠時無呼吸」を併発する人が約90%です。一方で、そのような呼吸停止症状を伴わないで主に呼吸が低下するタイプの人が約10%います。

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