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糖尿病・肥満と脂肪肝(MASLD)― いま分かってきた“全身の代謝”との関係

お酒を飲まなくても脂肪肝に。体重5~7%の減量で肝臓は戻る

糖尿病 脂肪肝・MASLD 肥満・代謝 2026.06.25 公開/2026.09.11 更新

健康診断で「脂肪肝」と言われた方、あるいは糖尿病・肥満とともに脂肪肝を指摘されている方へ。脂肪肝はいま 「MASLD(マスルド:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」 と名前が新しくなり、“肝臓だけの問題”ではなく“全身の代謝の問題”としてとらえ直されています。そして、その多くは 体重と血糖を整えることで良い方向に戻せます。大切なのは、早めに気づき、進み具合を一度きちんと確かめておくことです。

1脂肪肝は「MASLD」へ ― 名前が変わった理由

2023年に脂肪肝の呼び名が「NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」から「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」へ変わりました。これは単なる名前替えではなく、病気の本質をとらえ直す大切な変更です。

以前の「非アルコール性」は“お酒のせいではない”という消去法的な言い方で、肥満や糖尿病といった本当の中心にある原因をうまく言い表せていませんでした。新しい名前は、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの「代謝の異常」を正面に据えた前向きな定義です。つまり脂肪肝は、単なる肝臓の病気ではなく、全身の代謝の乱れの一部としてとらえるべき状態、という考え方への転換といえます。

「脂肪肝=お酒」ではありません

お酒をあまり飲まない方や、見た目が痩せている方でも脂肪肝になります。日本では成人のおよそ3~4人に1人にみられる、とても身近な状態です。甘い飲み物(果糖)のとりすぎや運動不足も、お酒とは別に脂肪肝の原因になります。

2糖尿病・肥満と脂肪肝は“地続き”

糖尿病・肥満のある方は脂肪肝を合併しやすく、逆に脂肪肝があると糖尿病が進みやすい、という双方向の関係があります。

インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)と、余った糖が中性脂肪につくり替えられて肝臓にたまりやすくなります。実際、MASLDの診断では、肝臓に脂肪がたまっていることに加えて、体格(BMI・腹囲)・血糖・血圧・中性脂肪・HDLコレステロールなどの心代謝リスク因子を評価し、5項目のうち1つ以上を満たすかどうかを確認します(AASLDなどの新しい定義)。ですから脂肪肝は、糖尿病・高血圧・脂質異常症という“生活習慣病の三兄弟”と根っこを同じくする仲間といえます。

痩せていても脂肪肝はあります

日本人には、体質(遺伝的な要因)によって太っていなくても脂肪肝になりやすい方がいます(やせ型のMASLD)。BMIが標準でも、健診で肝臓の数値(AST・ALT)が高ければ、一度確認しておくと安心です。

3放っておくとどうなる? ― 静かに進む「線維化」

脂肪肝は、薬が必要とは限りませんが、一部は肝臓が硬くなる「線維化」が進み、年月をかけて肝硬変や肝がんに至ることがあります。だから“ただの脂肪肝”と決めつけず、生活習慣の改善と、線維化リスクに応じた定期的な評価が大切です。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり進むまで症状が出ません。さらにMASLDは肝臓だけの問題にとどまらず、心臓・血管の病気(実は死因として最も多いのは心血管の病気です)や、腎臓の病気、大腸がんなどとも関連することが分かってきています。

睡眠時無呼吸(いびき)との関連も

2026年に改訂された診療ガイドラインでは、脂肪肝と睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連も整理されました。大きないびきや日中の強い眠気がある方は、あわせて見ておくと安心です。

早く気づくほど“戻せる”

一方で、肝硬変に進む前の段階であれば、脂肪肝は元に戻りうる(可逆的な)状態です。早く気づいて手当てを始めるほど、戻せる可能性は高くなります。

4進み具合は“採血”で見当がつく ― FIB-4という考え方

肝臓が硬くなっていないか(線維化のリスク)は、まず普通の採血の数値から計算できる「FIB-4(フィブフォー)」というものさしで、おおよその見当をつけられます。

FIB-4は、年齢・AST・ALT・血小板という、ありふれた血液検査の項目から計算します。特別な機器は要りません。最近は、針で肝臓の組織を採る「肝生検」は必ずしも必要ではなくなり(『MASLD診療ガイドライン2026』)、まず採血や画像でリスクを見極める流れが一般的になっています。必要に応じて腹部エコー(超音波)で脂肪のたまり具合を確認し、より詳しい線維化の検査(フィブロスキャンなど)が要る場合は専門の施設につなぎます。

当院での見つけ方(入口+紹介)

当院は内科として、糖尿病・肥満・脂質異常症・高血圧といった“背景の代謝”をまとめて診ており、院内で採血・腹部エコー・CT・体組成測定(InBody)が可能です。健診で脂肪肝を指摘された段階で、採血からFIB-4で進み具合のリスクを見立て、生活と背景の病気の両面から手当てを始められます。

線維化が進んでいる可能性や肝硬変が疑われる場合は、肝臓を専門とする医療機関と連携し、肝がんの定期チェックなどをお願いする形で紹介いたします。「気づく・仕分ける・つなぐ」までが、地域の内科としての役割と考えています。

5治療の主役は“体重” ― 何kg減らすと、何が変わる?

MASLDの治療の土台は生活習慣の改善、とくに体重を減らすことです。目安として、減量の度合いで期待できる変化がだいたい分かっています。

体重の減量と、期待される肝臓の変化

減量の目安 期待される変化
約5%減 肝臓にたまった脂肪が減る
約7%減 脂肪肝炎(炎症)の改善
10%以上減 線維化(硬さ)の改善も期待できる

たとえば体重70kgの方なら、まず約3.5kg(5%)、つづいて約5kg(7%)が当面の目標になります。食事は、野菜・魚を中心にしたバランスのよい食べ方(地中海食のような内容)が勧められ、甘い飲み物・お菓子・超加工食品は控えめに。食べる順番(野菜から)やよく噛むことも血糖の急上昇を抑えます。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動に軽い筋トレを組み合わせると効果的です。

そして、背景にある糖尿病・高血圧・脂質異常症をきちんと治すこと自体が、肝臓を守る治療になります。だから当院では、肝臓の数値だけを追うのではなく、代謝全体をまとめて整えることを大切にしています。

6「脂肪肝の薬」はある? ― 2026年、日本にも初めて登場

2026年6月、脂肪肝(MASH)そのものに対する治療薬が、日本で初めて承認されました。ただし対象は限られており、治療の土台がいまも生活習慣の改善と背景の病気(糖尿病など)の治療であることは変わりません。さらに2026年8月には、この薬の根拠となった国際共同試験の日本人患者のデータが論文として公表されました(この章の後半で解説します)。

その薬は、GLP-1受容体作動薬のセマグルチド(製品名ウゴービ)です。海外では、米国で2024年に甲状腺ホルモン受容体に働く薬(レスメチロム)が、2025年にセマグルチドがMASHに対して承認されていましたが、2026年6月19日、日本でもウゴービが「肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る)」の効能・効果を取得し、日本で初めてのMASH治療薬となりました[文献4・5]。

誰でも使えるわけではありません

この適応の対象は、検査で中等度~高度の肝線維化(F2・F3)があると確認された方に限られます。電子添文と厚生労働省の留意事項通知では、MASHの診断・治療に精通した医師のもとで、線維化ステージ(NASH CRN分類のF2又はF3)を原則として肝生検(針で肝臓の組織を採る検査)で確認し、肝生検が適切でない場合は非侵襲的な検査で判定するとされています[文献5・6]。また、肥満症のときと同じように、処方できる医療機関には施設・医師の要件があり(厚生労働省の最適使用推進ガイドライン[文献6])、食事療法・運動療法と組み合わせて使うことが前提です。なお、脂肪肝一般(MASLD)と炎症・肝細胞の傷害を伴うMASHは別の状態で、軽い脂肪肝や肝硬変の方は対象ではありません。体格の条件も肥満症の適応(BMI 27以上で健康障害2つ以上、または35以上)とは別で、MASHでは厚生労働省の指針により原則BMI 23以上が対象、19以上23未満は必要性を慎重に判断、19未満には投与しないとされています[文献6]。薬事承認・保険診療上の条件・当院での処方対応もそれぞれ別の話です。「脂肪肝と言われた人は誰でも保険で使える」わけではなく、まずは肝臓の状態を検査で確かめることが出発点になります。お薬ごとの詳しい違いはウゴービ・ゼップバウンド・マンジャロの違いもあわせてご覧ください。

2026年:日本人MASH患者でもセマグルチドを検証―ESSENCE日本人解析

ウゴービのMASH適応の根拠となった国際共同試験「ESSENCE(エッセンス)」の日本人患者のデータが、2026年8月28日、日本消化器病学会の英文誌 Journal of Gastroenterology に論文として掲載されました(Nakajimaら[文献1]。国内発表は2026年9月7日[文献3])。6月の国内承認とは別の出来事で、「新たに承認された」わけではありません。日本人に限った有効性・安全性のデータが査読論文として公表されたことが、今回の新しさです。

どんな研究? ― 全体試験の中の「日本人116人」

ESSENCE試験は、肝硬変を伴わず、線維化ステージF2~F3(中等度~高度)のMASHと肝生検で診断された1,197人に、セマグルチド2.4mgの週1回皮下注射またはプラセボ(偽薬)を2:1で割り付けた第III相試験です。最初の800人の72週時点の解析は2025年に New England Journal of Medicine に発表されています[文献2]。今回の論文は、その800人に含まれる日本人116人(セマグルチド群78人、プラセボ群38人)を取り出したサブグループ解析で、日本人だけを集めた別の試験ではありません[文献1]。日本人の参加者は全体集団より高齢でBMIが低め(65歳以上が4割超で全体では約4分の1、BMI 25未満が2割強で全体では約7%)でしたが、これは参加した集団の特徴であり、やせている方全般に効く・薬が勧められるという意味ではありません。

結果 ― 全体試験と日本人解析を並べて見る

表1.ESSENCE試験 全体集団の72週解析(最初の800人)

評価項目 セマグルチド群
(534人)
プラセボ群
(266人)
群間差(ポイント)
(95%信頼区間)
線維化を悪化させないMASH消失 62.9% 34.3% 28.7
(21.1~36.2)
MASHを悪化させない線維化改善 36.8% 22.4% 14.4
(7.5~21.3)

出典:Sanyalら, N Engl J Med 2025[文献2]。群間差は論文に報告された推定値で、単位はパーセントポイント。

表2.ESSENCE試験 日本人サブグループの72週解析(116人)

評価項目 セマグルチド群
(78人)
プラセボ群
(38人)
群間差(ポイント)
(95%信頼区間)
線維化を悪化させないMASH消失 63.1% 36.8% 26.65
(7.43~45.86)
MASHを悪化させない線維化改善 36.5% 28.9% 7.07
(-11.48~25.62)

出典:Nakajimaら, J Gastroenterol 2026[文献1]。群間差の単位はパーセントポイント。原著の定義:「MASH消失」=肝組織で炎症スコアが0~1、肝細胞の風船状変性(バルーニング)が0(脂肪の量は問わない)で、かつ線維化ステージが上がっていないこと。「線維化改善」=NASH CRN分類の線維化ステージが1段階以上下がり、かつMASHが悪化していないこと。群間差は割合の単純な引き算(63.1-36.8=26.3など)ではなく、糖尿病の有無と線維化ステージで層別したMantel–Haenszel法による「応答割合の推定差(EDP)」で、論文の値をそのまま掲載しています。なお表1の「36.8%」はセマグルチド群の線維化改善率、表2の「36.8%」はプラセボ群のMASH消失率で、同じ数字でも意味が違います。

結果をどう読むか ― 「MASH消失」と「線維化改善」は別もの

「MASHの消失」と「線維化の改善」は別々の評価項目です。MASHの消失は、肝臓の組織検査で脂肪肝炎の診断基準(炎症と肝細胞の風船状変性)を満たさなくなった状態で、脂肪や傷痕がすべて消えた、完全に治ったという意味ではありません。線維化とは、炎症などの影響で肝臓に傷痕のような組織が増えることで、その改善はステージが1段階以上下がることを指します。

日本人解析では、MASH消失はセマグルチド群で高く(63.1%対36.8%)、群間差の95%信頼区間(推定の幅)は0を含まず、全体試験(62.9%対34.3%)と整合的でした。線維化改善も数値上はセマグルチド群が高い(36.5%対28.9%)ものの、群間差7.07ポイントの95%信頼区間は-11.48~25.62と0をまたいでおり、差があるともないとも言い切れない幅の大きい結果です。そもそも116人の日本人サブグループは、群間差を統計学的に検証するために設計されたものではありません(論文にも、日本人サブグループで有意差を検出する検出力はないと明記[文献1])。ですから、この解析だけで「日本人でも線維化改善効果が証明された」とは言えず、同時に「日本人には線維化改善効果がない」とも、「全体集団と同じ大きさの効果が証明された」とも言えません。著者らは、有効性と安全性は全体集団と「方向性として一致していた」と表現しています。

今回の日本人解析のまとめ

日本人患者でも、MASH消失については全体試験と整合的な結果が得られました。一方、線維化改善については推定の幅が大きく、日本人解析だけで効果を断定することはできません。また、いずれも72週時点の肝組織の変化であり、肝硬変・肝がん・死亡が減ることが証明されたわけではありません。

安全性 ― 消化器症状が中心

安全性は、試験で投与を受けた日本人141人(セマグルチド群95人、プラセボ群46人)で評価されました[文献1]。セマグルチド群で目立った有害事象(薬との関係を問わない好ましくない出来事)は便秘(23.2%対4.3%)、悪心(吐き気、20.0%対8.7%)、下痢(20.0%対10.9%)などの消化器症状で、重篤な有害事象は21.1%対13.0%でした。論文は、日本人でも忍容性はおおむね良好で、傾向は全体集団と方向性として一致していたとしています。ただし「副作用は軽いものだけ」ではなく、実際の治療では効果と副作用を確認しながら医師が用量や継続を調整します。

海外の動き ― 中国でも2026年9月に承認

2026年9月10日には中国でもウゴービ(Wegovy)が肝硬変を伴わないF2~F3のMASHに承認され、ノボ ノルディスク社は「中国で初めてMASHの治療に承認されたGLP-1受容体作動薬」と発表したと報じられています[文献7・8]。セマグルチドの治療対象が代謝性の肝疾患へ広がる世界的な動きの一つですが、日本の適応条件や保険診療を変えるものではありません。

患者さんにとっての意味 ― 脂肪肝は「代謝の問題」として一緒に診る

この研究を、当院の診療にどう生かすか

糖尿病・肥満・脂質異常症と脂肪肝を、関連する代謝の問題として一緒に評価することが大切です。健診で脂肪肝を指摘されたら、血糖(HbA1c)・脂質・血圧・体重もあわせて見直す機会にし、「脂肪があるか」だけでなく「線維化が進んでいないか」を見る視点を持ってください。第4章のFIB-4はリスクの目安であり、それだけでMASHやF2~F3を確定するものではありません。ウゴービのMASH適応は、原則として肝生検、それが適切でない場合はエラストグラフィ(肝臓の硬さを測る検査)などで線維化ステージを確認したうえで、専門医・教育研修施設・栄養指導体制などの要件を満たす医療機関で処方されます[文献6]。当院では採血・腹部エコーで状態を見立て、線維化が進んでいる可能性のある方や薬の対象になりうる方は、専門の医療機関と連携してご案内します。

薬のニュースが出ても、治療の土台が食事・運動・体重管理と糖尿病・脂質異常症の治療であることは変わりません。MASH治療でも、食事療法・運動療法の継続と定期的な栄養指導が処方の条件とされています[文献6]。

糖尿病・肥満のお薬との関係(誤解しやすい点)

糖尿病や肥満症の治療に使われるGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬などには、研究で肝臓の脂肪や線維化を抑える効果も報告されています。ただし、糖尿病や肥満症に対して使うこれらのお薬は、そのままでは“脂肪肝そのもの”への保険適用ではありません(MASHへの適応を取得したのは、上でご説明したウゴービという特定の使い方です)。同じセマグルチドでも、2型糖尿病のお薬であるオゼンピック(注射)やリベルサス(飲み薬)は用量・適応が異なり、今回の試験成績やMASH適応をそのまま当てはめることはできません。マンジャロ(チルゼパチド)も別の薬で、ESSENCE試験の結果から同じ効果があるとはいえません。どのお薬が適するかは、必ず主治医とご相談のうえお決めください。

7よくあるご質問

脂肪肝は治りますか?

多くは良くなります。肝硬変に進む前の段階であれば、脂肪肝は元に戻りうる状態です。体重と血糖を整えるほど戻りやすく、早く気づくことが何より大切です。

お酒を飲まないのに脂肪肝と言われました。なぜですか?

MASLDの主な原因はお酒ではなく、肥満・糖尿病・食習慣などの“代謝の乱れ”です。お酒を飲まない方や痩せ型の方でも起こります。甘い飲み物や果糖のとりすぎも一因になります。

脂肪肝は何科に行けばよいですか?

まずはかかりつけ・内科で、採血と腹部エコーから始めるのがおすすめです。糖尿病や肥満があれば代謝の視点でまとめて診られると安心です。進み具合のリスクが高い場合は、肝臓を専門とする医療機関へおつなぎします。

健診で脂肪肝。放っておいて大丈夫ですか?

薬が必要とは限りませんが、放っておくのはおすすめしません。生活習慣の改善と、線維化リスクに応じた定期的な評価が大切です。中には線維化が進む方もいるため、FIB-4などの簡単な指標でリスクを見ておくと安心です。とくにALTが高めの場合は、一度ご相談ください。

― あわせて読みたい(生活習慣病の三兄弟)―

監修:加藤 丈陽(かとう内科 院長)
日本内科学会 総合内科専門医(029447)/日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)/日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
かとう内科 〒794-0821 愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310(1986年開業・19床)

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。診断・治療は必ず医師にご相談ください。脂肪肝(MASH)に対する治療薬は、2026年6月にウゴービ(セマグルチド)が日本で初めて承認されましたが、対象は中等度~高度の線維化がある方に限られ、施設要件などの条件があります。2026年8月に公表されたESSENCE試験の日本人解析は、その試験に参加した日本人116人を取り出したサブグループ解析であり、日本人での効果を検証するために設計された試験ではありません。
参考文献:
[1]Nakajima A, Okanoue T, Hiasa Y, Takahashi H, Opuni K, Kosaka N, Nishida T, Sanyal AJ. Semaglutide in Japanese participants with metabolic dysfunction-associated steatohepatitis: a subgroup analysis of the ESSENCE trial. Journal of Gastroenterology, 2026年8月28日オンライン公開. https://doi.org/10.1007/s00535-026-02507-0
[2]Sanyal AJ, Newsome PN, Kliers I, et al.; ESSENCE Study Group. Phase 3 Trial of Semaglutide in Metabolic Dysfunction-Associated Steatohepatitis. New England Journal of Medicine 2025;392(21):2089-2099. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2413258
[3]ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース「ESSENCE試験 日本人サブグループ解析結果が『Journal of Gastroenterology』に掲載」(2026年9月7日)https://www.novonordisk.co.jp/news/media.html
[4]ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース「『ウゴービ®皮下注』、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に対する承認を取得。日本初のMASHに対する薬物治療の選択肢に」(2026年6月19日)https://www.novonordisk.co.jp/news/media/2026/06/20260619_1.html
[5]ウゴービ皮下注0.25mgSD/0.5mgSD/1.0mgSD/1.7mgSD/2.4mgSD 電子添文(2026年6月改訂、第7版)
[6]厚生労働省 保医発0619第3号「代謝機能障害関連脂肪肝炎の効能又は効果を有するセマグルチド(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について」(令和8年6月19日)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001713733.pdf
[7]Reuters「Novo Nordisk says Wegovy approved in China for liver disease MASH」(2026年9月10日、Yahoo Finance配信)https://ca.finance.yahoo.com/news/novo-nordisk-says-wegovy-approved-080900989.html
[8]界面新聞「司美格鲁肽注射液获批代谢相关脂肪性肝炎适应症」(2026年9月10日)https://www.jiemian.com/article/15077491.html
そのほか:日本消化器病学会・日本肝臓学会『MASLD診療ガイドライン2026(改訂第3版)』(2026年)/米国肝臓病学会(AASLD)・EASL–EASD–EASO ガイダンス/AASLD「New MASLD Nomenclature」(MASLDの定義:脂肪肝+心代謝リスク因子5項目のうち1つ以上)https://www.aasld.org/new-masld-nomenclature
この記事を最後に更新した日:2026年9月11日

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