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心筋梗塞・狭心症をした人のコレステロール、再発予防が最優先
目標は「早く・しっかり」、退院後はかかりつけで
心筋梗塞・狭心症の後、
コレステロールはどこまで下げる?
心臓の血管の病気(心筋梗塞・狭心症)をした方にとって、コレステロール管理は「再発を防ぐ」ための、いちばん大切な土台です。どこまで下げる?いつまで続ける?退院後はどうする?——できるだけやさしく整理します。
心筋梗塞・狭心症をした人は、コレステロールをどこまで・いつまで下げればいいの?
- 一度発症した人は再発リスクが高く、コレステロール管理は再発予防の要です
- 目標はしっかり下げる——LDLは70未満(場合により55未満/治療前から50%以上)
- 「早く・強く」が大事。急性期の強力な治療は専門施設で行います
- 薬はスタチンが基本。続けることが何より大切で、自己判断でやめないこと
- 当院は退院後の再発予防のかかりつけ役。急性期や特殊な治療は適切な施設へ
1なぜ「再発予防」がいちばん大事なのか
心筋梗塞や不安定狭心症(まとめて急性冠症候群=ACSと呼びます)をした方は、詰まった場所以外の血管にも“不安定なプラーク(コブ)”を抱えていることが多いとわかっています。だから、一度よくなっても再発のリスクが高いのです。
しかも、その再発は発症から1年以内、特に最初の3カ月に多い。だからこそ、退院したあとも気を抜かず、コレステロールをしっかり管理し続けることが、命を守る二次予防(再発予防)になります。
2目標は「早く・しっかり」下げる
合言葉は “The lower, the better”(低ければ低いほどよい)。一度心臓の病気をした人では、LDL(悪玉)コレステロールを次のくらいまで下げることが目標とされています。
| 基準 | 目標 |
|---|---|
| 日本 | LDL 70mg/dL未満 |
| 欧米 | LDL 55mg/dL未満、または治療前から50%以上下げる |
そして「いつ下げるか」も大事です。昔は薬を少しずつ足して、4~6週間かけて目標をめざす方法が一般的でした。でも前述の通りACSは早期の再発が多いため、最近は発症してすぐ、入院中から強力に下げる考え方(“strike early and strike strong”=早く・強く打つ)が主流になっています。
3薬と生活——両輪で再発を防ぐ
退院後の再発予防は、「薬」と「生活」の両輪で進めます。
お薬の基本的な流れ
生活の見直しも忘れずに
薬と同じくらい大切なのが生活です。特に禁煙・血圧・血糖は、心臓の再発予防に直結します。コレステロールだけでなく、これらをまとめて整えることが、いちばんの近道です。
中性脂肪やLp(a)といった他の脂質も気になるところですが、一度心臓の病気をした人では、まずLDLをしっかり下げるのが最優先。他の項目はその次に考えていきます(フィブラートやω3の効果は試験で結果が割れており、慎重に判断します)。
4一度始めた治療は「続ける」のが基本
よくいただくのが「もう落ち着いたから、薬はやめてもいい?」というご質問。答えは——基本は続けてください。ACSの後は再発リスクが長く残るため、副作用などがない限り、生涯にわたって続けるのが望ましいとされています。自己判断での中止は、再発の引き金になりかねません。気になることがあれば、やめる前に必ずご相談を。
5当院の役割は「退院後のかかりつけ」
まとめると、当院(内科)の役割は退院後の再発予防のかかりつけです。退院後しばらくして(おおむね4~6週後)に、目標値に届いているか・副作用がないか・きちんと飲めているかを確認し、その後も二人三脚で続けていきます。急性期の治療や注射・特殊な薬が必要な場面は、適切な施設と連携してご紹介します。
なお、心臓の病気を若くして起こした人や、コレステロールが非常に高い人の中には、体質的な「FH(家族性高コレステロール血症)」が隠れていることがあります。これは次回くわしくお話しします。
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日本内科学会 総合内科専門医(認定番号 029447)
日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)
日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310
- 小倉正恒 編:新装改訂版 見直し!脂質異常症.日本医事新報社,2026.
- 日本動脈硬化学会 編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.2022.
