今治の内科|糖尿病・睡眠時無呼吸症候群・いびき外来・禁煙外来に対応。土曜日も診療しています。
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コレステロールが低いと言われたら、まず「別の病気」を確認する
急に下がったときは、ほかの病気が隠れていないか確認する
コレステロール(LDL)が
「低すぎる」と言われたら?
──低いのは、いつも良いこと?
「コレステロールが低い」と聞くと、ふつうは“いいこと”のように思えます。実際、悪玉(LDL)は低めのほうが動脈硬化には有利。でも、急に下がったときや、極端に低いときは、別の病気や、生まれつきの体質が隠れていることがあります。今回は「低すぎる」と言われたときに、何を確認すればよいかを整理します。
健診でコレステロール(LDL)が低すぎると言われました。低いのは良いことだと思っていたのに、何か心配なことがあるの?
- 悪玉(LDL)が70mg/dL未満だと「低LDLコレステロール血症」。多くは心配いりませんが、確認すべきことがあります。
- 大切なのは「以前から低い」か「最近下がった」か。急に下がったときは、別の病気が隠れていないかを確認します。
- 背景になりうる病気:甲状腺の働きすぎ、重い肝臓の病気、悪性腫瘍、低栄養、吸収不良など(二次性)。
- ごくまれに、生まれつきコレステロールが作れない・運べない体質(FHBL・ABLなど)があり、重症型では神経や目に症状が出ます。
- 当院は原因の見極めの“入口”。体質が疑われる重症例は専門医へご紹介します。
1コレステロールが低いと言われたら、まず「別の病気」を確認する
悪玉(LDL)コレステロールは、70mg/dL未満で「低い」と判断します(50未満をより低いとする考え方もあります)。動脈硬化の観点では、悪玉は低めのほうが有利。だから、もともと低い人の多くは心配いりません。
でも、ここで大切なのが「以前から低い」のか「最近になって下がった」のかという視点です。とくに急に下がったときは、その裏に別の病気が隠れていないかを確認します。コレステロールが低くなる「別の病気(二次性)」には、次のようなものがあります。
| 背景にある病気・状態 | ひとこと |
|---|---|
| 甲状腺機能亢進症 (バセドウ病など) |
甲状腺が働きすぎると、コレステロールがどんどん使われて低くなります。動悸・体重減少・汗かきなどが手がかり。 |
| 重い肝臓の病気 | 肝臓はコレステロールの工場。働きが落ちると作られる量が減ります。 |
| 悪性腫瘍(がん) | 急にコレステロールが下がったときは、念のため考えるべき可能性のひとつです。 |
| 低栄養・吸収不良 | やせ、食事がとれていない、腸の吸収が悪いなど。 |
2生まれつきの「体質」のことも(原発性)
別の病気が見当たらず、ずっと前からコレステロールが低い場合は、生まれつきの体質(原発性)を考えます。これはまれですが、いくつかのタイプがあります。やさしく整理します。
| 体質の名前 | 特徴のヒント |
|---|---|
| 家族性低βリポ蛋白血症 (FHBL) |
軽いタイプ(ヘテロ)は無症状で、むしろ動脈硬化が少ないことも。血のつながった家族にも低い人がいるのが手がかり。脂肪肝を伴うことがあります。 |
| カイロミクロン停滞病 | 乳幼児期から、脂肪性の下痢・吐き気・成長の遅れが出るまれな体質。 |
| 無βリポ蛋白血症 (ABL・指定難病264) |
最重症型。脂肪やビタミンを運べず、慢性の下痢・成長障害・目や神経の症状が出ます。早期の治療が必要です。 |
逆に、軽いタイプのFHBLは無症状で、むしろ動脈硬化が少なく長生きにつながる、という報告もあります。つまり「コレステロールが低い体質」も、軽いものから重いものまで幅があるのです。
3どれくらい低いと、くわしく調べる?
低さの程度も判断の目安になります。極端に低い(とくにLDL 15mg/dL未満など)場合は、重症型の体質(ABL・FHBLホモ接合体)が疑われ、専門的な検査が必要になります。
4当院でできること・専門へつなぐ目安
当院では、健診などで見つかった低コレステロールについて、「いつから低いか」の確認と、別の病気(甲状腺・肝臓・栄養・がんなど)の見極めを担当します。多くの方は、もともとの体質や、改善できる原因によるもので、過度な心配はいりません。
一方で、別の病気が否定的で、生まれつきの体質(原発性)が疑われる場合や、極端に低く、下痢・神経・目の症状を伴う重症型が疑われる場合は、専門的な検査・治療が必要になるため、専門医へご紹介します。「低いから安心」と決めつけず、まずは“なぜ低いのか”を一緒に確認しましょう。
5糖尿病・高血圧がある方へ
コレステロールが低いこと自体は、糖尿病・高血圧の管理に直接の問題にはなりにくいのですが、背景の病気(甲状腺・肝臓など)はこれらと関わることがあります。全身の状態を一緒にみていくことが大切です。あわせてご覧ください。
日本内科学会 総合内科専門医(認定番号 029447)
日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)
日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310
- 小倉正恒 編:新装改訂版 見直し!脂質異常症.日本医事新報社,2026.
- 日本動脈硬化学会 編:低脂血症の診断と治療 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版.日本動脈硬化学会,2023.
- Bredefeld C, et al. J Clin Lipidol. 2022;16(6):797-812.
- Hartz J, et al. J Clin Lipidol. 2019;13(3):367-73.
- Wakabayashi T, et al. J Atheroscler Thromb. 2024;31(7):1005-23.
