今治の内科|糖尿病・睡眠時無呼吸症候群・いびき外来・禁煙外来に対応。土曜日も診療しています。
サイトマップ- 0898-23-2310〒794-0821 愛媛県今治市立花町1-10-5
- メールでのお問合わせ
日常生活で糖尿病と上手に付き合うには?
結婚・仕事・運転・旅行・お酒・睡眠 ― 暮らしの場面別のヒント
糖尿病があっても、糖尿病のない人と変わらない人生を送ることができます。結婚・出産・仕事・旅行・お酒。人より少し手間がかかる場面はあっても、血糖の状態を良好に保っていれば、たいていのことは問題なく楽しめます。日常生活で糖尿病と上手に付き合うためのヒントを、場面ごとにまとめました。
💑結婚・妊娠・家族のこと
結婚と遺伝
結婚するときは、隠さずに、結婚前に相手とその家族へ糖尿病のことを伝え、理解してもらいましょう。良好な状態を保つには、本人の努力と、配偶者のやさしい見守り・協力が支えになります。理解を得るために、担当医や看護師の協力も遠慮なく求めてください。
遺伝について心配される方もいますが、糖尿病のある人の子どもがみな糖尿病になるわけではありません。とくに2型糖尿病では「病気そのもの」ではなく「なりやすい体質」が遺伝するもので、それ以上に生活環境が大切です。ご自身の経験を生かして健康的な子育てをすれば大丈夫です。
妊娠・出産について
血糖が良好に管理されていれば、妊娠・出産は可能です。妊娠中に血糖を適正に保つのは、母体(流産・早産・妊娠高血圧症候群など)と赤ちゃん(巨大児・先天性の形態異常など)のリスクを減らすためで、赤ちゃんのためにも血糖管理が重要です。妊娠するとホルモンの状態が大きく変わるため、インスリンで治療することになります。
💚「計画妊娠」のポイント
・妊娠する前から、しっかり血糖を整えておきましょう。HbA1c 6.5%未満で先天性の形態異常や流産のリスクを下げられます(少なくとも7.0%未満が目標)。
・網膜症は妊娠で進みやすいので、眼科でチェックを。必要なら治療で安定させてから妊娠を考えましょう。
・腎症は妊娠で悪化することがあります。尿・血液検査で腎機能を確認し、妊娠のリスクを担当医に相談しましょう。
・妊娠中は、産婦人科と糖尿病をみる医師の指導を受けましょう。
なお、妊娠をきっかけに見つかる「妊娠糖尿病」の多くは出産後に自然におさまりますが、数年たってから糖尿病が出てくることがあります。健康的な食事・運動を心がけ、定期的に検査を受けましょう。
💼仕事・職場のこと
糖尿病であることで、職業選択・昇進・職場の人間関係に不利があってはいけません。良好に管理され、低血糖の心配がなければ、職業は基本的に制限されません。ただし、安全上の理由から注意や条件が必要な職業もあります。
表1:注意が必要な職業の例
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 制限や条件がある | 職業運転手(パイロット、バス・タクシー・電車の運転手など) |
| 十分な注意を要する | 高所での作業(電気工事関係者・とび職など)、水中での作業(潜水士など) |
| シフトワーカー | 看護師、警察官 など(勤務が不規則で血糖を保ちにくい) |
職場に糖尿病を伝えるかどうかはプライバシーの問題で、個人の判断によります。ただ、治療を無理なく続けるためには、上司や仲間に伝えておくほうが安心です。食事・補食・注射の時間が不規則になりそうなときは、医師に治療法を相談しましょう。
🚗運転免許と保険
自動車の運転
無自覚性低血糖(自覚なく低血糖になる)を起こすことのある方は、免許の取得・更新に条件があり、虚偽の申告には罰則も設けられています。運転中に低血糖の症状に気づいたら、すぐ車を停めて対処できるよう、砂糖・ブドウ糖やそれらを含む飲料を運転席の近くに常備しましょう。長時間の運転では、運転前・運転中に血糖を自己測定することも大切です。「自分だけは大丈夫」と思わず備えておきましょう。運転免許の相談は、各都道府県公安委員会の「運転適性相談窓口」で対応してもらえます。
生命保険
糖尿病があっても加入できる保険はありますが、保険料が通常より高めだったり、保険金額が抑えられている商品が多い傾向です。内容をよく確認し、希望に合うものを選びましょう。
⛰余暇 ― スポーツと旅行
スポーツでの注意点
スポーツは運動療法にもなるので、好きなスポーツを楽しみましょう。ただし合併症がある方は、種類によって病状が悪化することもあるので、どんなスポーツがよいか担当医に相談を。飲み薬やインスリンで治療している方は低血糖が起こることがあるため、原則として空腹時は避け、食後に行いましょう。登山やマラソンなど運動量の多いときは、薬・インスリンの量を調整しておくことも必要です。前後(できれば途中も)血糖を測り、補食やインスリン調整の参考に。運動後、数時間以上たってから低血糖が出ることもあるので注意しましょう。
旅行での注意点
自己管理ができていて合併症が落ち着いていれば、国内旅行はもちろん、海外旅行も問題ありません。飛行機を使う旅行の注意点を表2にまとめます。
表2:旅行時の注意点
| 場面 | 注意点 |
|---|---|
| 予定を立てる | 時差のある旅行先では、インスリンや内服の方法を担当医に相談(必要なら英文の情報提供書を作成)。航空会社に糖尿病食の可否を確認。必要な予防接種は出発の2週間以上前に。 |
| 空港・保安検査 | インスリン注射・自己血糖測定の器具は必ず手荷物として機内へ(預け荷物は凍結のおそれ)。情報提供書やカードを提示。ポンプ・装着センサーは係官に申告し指示に従う。 |
| 機内 | 乾燥するので脱水・エコノミークラス症候群に注意。アルコールは控え、適宜歩行や屈伸を。ブドウ糖やアメを携帯。ポンプは「機内モード」に。 |
| 旅行先 | 高カロリー食の食べすぎに注意。よく歩いて運動量が増えるので、低血糖・シックデイに備える。薬は紛失・盗難に備えて分けて保管。ポンプ使用の可否は渡航先により異なるため事前に確認。 |
✈️ 海外旅行のインスリン、ここがポイント
・航空会社に事前連絡を。インスリンを使っていることを伝え、化粧室に近い通路側の席を予約。糖尿病食やカロリー・配膳時間も確認しておきましょう。
・インスリンと関連機器は必ず機内に持ち込みます。インスリンであることを証明する書類を担当医に準備してもらい、時差があるときは注射の調整方法も教わっておきましょう。
・アルコール綿と、低血糖に備えるブドウ糖や糖入り飲料を携帯。日本糖尿病協会の英文カードも活用できます。
🍶お酒・タバコ・嗜好品
お酒との付き合い方
アルコールはエネルギー(1g=7kcal)はありますが、ほかの栄養素を含まないため、食品と「交換」はできません。糖尿病のある方は、原則として控えめにしましょう。一方で、血糖管理が良好で合併症がなく、飲む量を自分でしっかりコントロールできる場合は、適量なら許可されることもあります。
💡 お酒で血糖が下がったり上がったりするのはなぜ?
お酒には、肝臓にたくわえた糖の放出をおさえる働きがあるため、薬を使っていなくても低血糖を起こすことがあります。糖尿病の薬を使っているとその作用が強まり、思わぬ低血糖の原因にも。一方、アルコール自体に血糖を上げる作用はありませんが、お酒に含まれる糖分は血糖を上げ、食欲増進作用も加わってつい食べすぎ、高血糖になることもあります。
表3:飲酒量の目安(純アルコール約20g=1単位)
| お酒の種類 | 量の目安 | 度数 | 純アルコール量 |
|---|---|---|---|
| ビール(中瓶) | 1本:500mL | 約5% | 約20g |
| 日本酒 | 1合:180mL | 約15% | 約22g |
| ワイン | グラス約2杯:200mL | 約12% | 約20g |
| ウイスキー | ダブル:60mL | 約43% | 約20g |
※許可される場合でも、一般に1日あたり純アルコール25g程度までが目安とされます。量や可否は担当医にご確認ください。
⚠️ 飲酒の「弊害」と、飲んでよい「条件」
弊害:食欲が増して食べすぎる/脂肪肝が悪化する/低血糖の危険がある。
条件:血糖管理が良好で合併症がない/膵臓や肝臓の病気がない/飲み始めても必ず決めた量で止められる。これらが満たせない場合は控えましょう。
タバコ(禁煙のすすめ)
タバコにはタール・ニコチン・一酸化炭素など多くの有害成分が含まれ、血管を収縮させて血流を悪くします。動脈硬化が進み、狭心症・心筋梗塞・脳卒中・末梢動脈疾患などの引き金に。糖尿病のある方はもともと血管の合併症を起こしやすいため、喫煙が加わると合併症が早く進みます。がんの原因にもなるので、ぜひ禁煙しましょう。最近は禁煙補助薬に加え、禁煙外来でのサポートも活用されています。
甘いもの・嗜好品
おやつ(お菓子・果物・ジュースなど)は砂糖を多く含み、血糖を急に上げるため、管理を乱す大きな原因になります。中性脂肪を上げて内臓脂肪をためる原因にも。甘いものはできるだけ控えめにし、甘味がほしいときは人工甘味料を使うとよいでしょう。最近は、低カロリーに抑えたお菓子やゼロカロリーの飲料も市販されています。食べすぎ・飲みすぎは禁物ですが、上手に使えば間食を楽しむこともできます。
😴睡眠と生活リズム
睡眠は心と体を休め、疲れを回復させます。睡眠時間が短いとインスリンの効きが悪くなり、血糖管理が悪化することがわかっています。睡眠障害のある方やシフトワーカーは糖尿病の発症率が高く、1日7時間ほどの睡眠の人は血糖管理が良好という報告もあります。睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、程度が重いほど糖尿病を併発しやすいとされます。いびきや日中の強い眠気が気になる方は相談を。
💚「規則正しい生活」が、いちばんの土台
朝・昼・夕の決まった時間の食事、適度な運動、十分な睡眠。あたりまえのようでいて、血糖管理にはこの規則正しさが何よりの支えになります。
💚 当院でできること
かとう内科(今治市)では、仕事・運転・旅行・お酒・睡眠など、暮らしと治療の両立のご相談に応じています。いびきや日中の眠気が気になる方の睡眠時無呼吸の検査・対応や、禁煙のご相談も承ります。「これはやっていい?」という日常の疑問も、遠慮なくお話しください。あなたの暮らしに合った、無理のない方法を一緒に考えます。
❓よくあるご質問
糖尿病でも、仕事や旅行、妊娠はできますか?
血糖が良好に保たれていれば、仕事も旅行も妊娠・出産も可能です。低血糖への備えや、時差のある旅行でのインスリン調整など、場面ごとの少しの準備があれば、ほかの人と変わらず過ごせます。心配なことは、その都度担当医に相談しておくと安心です。
お酒は飲んでもいいですか?
原則は控えめが基本です。ただし、血糖管理が良好で合併症がなく、膵臓・肝臓の病気もなく、決めた量で止められる方では、適量なら許可されることもあります。お酒は低血糖を招くことがあり、とくにインスリンやSU薬を使っている方は注意が必要です。量や可否は担当医にご確認ください。
タバコはやめたほうがいいですか?
はい、強くおすすめします。喫煙は血管を傷め、糖尿病の合併症(心筋梗塞・脳卒中・末梢動脈疾患など)を早く進めます。禁煙補助薬や禁煙外来のサポートもありますので、やめたい気持ちがあれば、ぜひご相談ください。
― シリーズの前後・関連ページ ―
日本内科学会 総合内科専門医(029447)/日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)/日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
かとう内科 〒794-0821 愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310(1986年開業・19床)
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。生活上の判断は体調や合併症によって異なります。診断・治療は必ず医師にご相談ください。
参考:日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド/日本糖尿病協会(2026年時点)
