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子どもの糖尿病はどのように治療するのか?

タイプ別の特徴と治療、学校生活・サマーキャンプ・食事と運動

糖尿病 子どもの糖尿病 治療と学校生活 かとう内科|今治市

お子さんが糖尿病と診断されると、ご家族は大きな不安を抱えるものです。でも、子どもの糖尿病は、適切な治療と周りの支えがあれば、ほかの子と変わらず学校生活も成長も楽しめます。大切なのは、生活の質を保ちながら血糖を整え、すこやかな発育・発達を支えること。子どもの糖尿病の特徴と治療、学校生活の工夫までまとめました。

🧒子どもの糖尿病の特徴(タイプ別)

子どもの糖尿病にもいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴や治療が異なります。

1型糖尿病

日本では欧米にくらべて子どもの1型糖尿病はとても少なく、15歳未満では10万人あたり年間およそ1.5~2.5人とされています(北欧などの10分の1以下です)。どの年齢でも発症しますが、幼児期と10~13歳ごろにピークがあります。幼児期は糖尿病性ケトアシドーシスを伴って発症することが多く、多尿・多飲・体重減少などの症状や、症状がないまま学校検尿で見つかることもあります。ケトアシドーシスは発症時だけでなく治療中にも起こることがあり、吐き気・嘔吐・腹痛などの消化器症状、呼吸困難、意識障害などに注意が必要です。

2型糖尿病

以前は大人の病気とされていた2型糖尿病ですが、子どもでも増えています。思春期に増え、無症状で学校検尿で見つかることが多く、自覚が乏しいのが問題です。通院をやめて治療を怠ると、1型より早く合併症が出るという報告もあり、子どもの2型糖尿病では「通院を続けること」が何より大切です。発症には、なりやすい体質に加え、運動不足やカロリー・脂肪のとりすぎなどの背景がかかわることもあります。家族に2型糖尿病のある人がいることも多く、日本人は太っていなくてもなりやすいとされます。感染症などの強いストレスやソフトドリンクのとりすぎが引き金となり、1型のように急激に発症することもあります。

まれな「遺伝子の異常による糖尿病」

まれですが、1歳未満(とくに生後6か月未満)で発症する新生児糖尿病では、すぐにインスリン治療が必要です。原因の遺伝子がわかると、数か月でインスリンを中止できたり(一過性)、飲み薬(スルホニル尿素薬)に変更できる場合もあります。3世代にわたるような濃い家族歴がある場合は、MODYなどの単一遺伝子の異常が見つかることがあり、治療方針の参考になります。

💉治療の原則(タイプ別)

子どもの糖尿病治療の目標は、血糖を適正に保って合併症を防ぎながら、すこやかな発育・発達を支えることです。子どもの目標値は必ずしも大人と同じではなく、低血糖・高血糖の影響にも配慮して、一人ひとりに合わせて設定します。

1型糖尿病

子どもの1型糖尿病でも、インスリンの頻回注射やポンプ療法による「基礎+追加(ベーサル・ボーラス)」のインスリン療法が治療の中心です。乳幼児では少量を投与できるポンプが選ばれることが多くなっています。食事は成長と活動量に合わせてとり、エネルギー(カロリー)は制限しません。食事の糖質量に合わせてインスリン量を決める「カーボカウント」が基本で、定期的な身長・体重測定で、バランスのよい食事ができているかを確認します。

📋 進化する治療デバイスと、新しい目標「TIR」

血糖の変動に応じて基礎インスリンを調整したり、高血糖を自動で補正できるインスリンポンプが増えています。持続血糖モニター(CGM)で血糖の動きを連続的に確認することも一般的になりました。目標は、HbA1c 7.0%未満に加え、血糖が目標範囲内にある時間の割合「TIR(タイム・イン・レンジ)」70%以上が目安です。HbA1cが9%以上になるときは、血糖管理やこころの面に課題があることも多く、早めのサポートが大切です。

2型糖尿病

子どもの2型糖尿病の7~8割は肥満を伴うため、多くは食事と運動による減量で血糖が改善します。長く適正な血糖を保つために、中断せず通院と治療を続けましょう。体質や年齢、思春期の影響で、しっかり取り組んでも血糖が改善しないことがあり、その場合は飲み薬やインスリンによる治療を行います。

💚 家族みんなで取り組むのが、続けるコツ

子どもにだけ食事を注意させたり、運動をがんばらせたりするのではなく、家族そろって同じように取り組むことが、長く治療を続ける支えになります。

🏫学校生活はどうする?

糖尿病があっても、学校生活で何かを制限される必要はありません。ほかの子と同じように過ごせるよう、少しの準備と周りの理解があれば大丈夫です。

病気を周りに伝える(公開)

治療を続けやすく、負担の少ない環境のために、学校や周りの友人・先生に「糖尿病であること」をできるだけ伝え、理解と協力を得ましょう。子どものうちから治療しやすい環境をつくることは、大人になってからも役立ちます。ただしプライバシーに関わることなので、どこまで伝えるかは、本人・ご家族と学校の関係者でよく話し合っておきましょう。

インスリン・血糖測定・低血糖への備え

ペンでの注射やポンプ操作、指先での血糖測定やCGMでの確認が必要です。スマートフォンと連動するデバイスもあるため、学校への持ち込みや使い方を事前に相談しましょう。補食・注射・測定を「どこで・どのタイミングで行うか」を学校職員と前もって決め、できるだけ友だちと同じ行動がとれるよう、場所も話し合っておくと安心です。

⚠️ 低血糖への備えを、学校とも共有しておきましょう

低血糖がどんなものかを、友人や先生にも知っておいてもらいましょう。低血糖が起きたらすぐ糖質をとれるよう準備し、自分で補食できない重い低血糖のときは、学校職員もグルカゴン点鼻薬を投与できるようになっています。緊急時の連絡先(自宅・医療機関)や対応も決めておきましょう。運動会・遠足・修学旅行などの行事は低血糖が起こりやすいので、インスリン量の調整や事前の補食について担当医に相談を。

⛺仲間とつながる ― サマーキャンプ・交流会

全国各地で毎年、1型糖尿病の子どもたちを対象に「糖尿病サマーキャンプ」が開かれています。同じ病気の仲間やボランティア学生・医療スタッフと数日をともに過ごし、糖尿病の知識を深め、実践的に自己管理を学べます。先輩の体験を聞いたり、年下の子の面倒をみたりするなかで仲間の輪が広がり、糖尿病とともに自立していくための大きな力になります。機会があれば、一度参加してみることをおすすめします。難しい場合は、患者さん向けのセミナーや交流会で仲間を増やすのもよいでしょう。

🍽学校での食事・運動はどうすればいい?

食事について:学校生活では、基本的に食事に制限はありません。食事の量を制限することは、かえって子どもの成長に悪影響を与えます。給食は友だちと同じものを食べましょう(もちろん食べすぎは肥満のもとなので注意です)。1型糖尿病ではカーボカウントが主流なので、炭水化物・糖質の量を知っておくと役立ちます。給食の献立表を前もって入手しておくとよく、学校によっては糖質量も教えてもらえます。盛り付けで実際の量が変わることもあるので注意しましょう。2型糖尿病ではあらかじめ決めた量を食べるのが一般的ですが、担当医に確認しましょう。

運動について:運動は強度にかかわらず、すべて参加できます。ただしインスリン治療中は、運動中・運動後の低血糖に十分注意しましょう。運動する時間帯に効くインスリンをあらかじめ減らす、運動前に補食する、ポンプの設定を調整するなどで予防できます。運動量が多いと夜間も血糖が下がりやすいので、基礎インスリンの調整も検討しましょう。

💚 当院でできること/小児・専門施設との連携

かとう内科(今治市)では、お子さんの学校検尿などで尿糖・血糖の異常を指摘された場合の入口の相談や、ご家族に糖尿病があり発症が心配な方のご相談に応じています。お子さんの糖尿病の継続的な治療は、小児科や小児糖尿病を専門とする医療機関が中心となりますので、必要に応じてそうした施設と連携・ご紹介します。まずはお気軽にご相談ください。

❓よくあるご質問

子どもの1型糖尿病は、親の育て方や食べ物のせいですか?

いいえ。1型糖尿病は、自分の免疫が誤ってインスリンを作る細胞を壊してしまう「自己免疫」が主な原因で、生活習慣や育て方とは関係ありません。ご家族が自分を責める必要はありません。早く治療を始め、周りで支えていくことが何より大切です。

糖尿病があると、学校生活で制限されますか?

基本的に制限はありません。給食も運動も、ほかの子と同じように参加できます。注射・血糖測定・補食の場所やタイミング、低血糖への備えを学校と前もって決めておくと、安心して過ごせます。プライバシーに配慮しつつ、必要な範囲で周りの理解を得ておくとよいでしょう。

子どもの2型糖尿病でも、薬は必要ですか?

多くは食事と運動による減量で血糖が改善します。ただし、体質や思春期の影響で改善しにくいときは、飲み薬やインスリンを使います。いちばん大切なのは、症状がなくても通院を続けることです。中断すると合併症が早く進むことがあるため、家族みんなで取り組みましょう。

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監修:加藤 丈陽(かとう内科 院長)
日本内科学会 総合内科専門医(029447)/日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)/日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
かとう内科 〒794-0821 愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310(1986年開業・19床)

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。お子さんの診断・治療は必ず医師にご相談ください。小児の糖尿病の管理は小児科・専門施設が中心となります。
参考:日本糖尿病学会/日本小児内分泌学会/小児慢性特定疾病情報センター(2026年時点)

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