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なぜ私が糖尿病なのか?
症状がなくても診断される理由と、血糖値・HbA1cの見方
尿糖が出ていないのに糖尿病?血糖値・HbA1cで診断される理由
「尿糖は出ていないのに、糖尿病と言われた」「体調は普通なのに、HbA1cが高いと言われた」「何も困っていないのに、本当に治療が必要なの?」——そんな疑問を、今治市のかとう内科がわかりやすく整理します。
尿糖は出ていないのに、どうして糖尿病なんですか?
- 尿糖は“参考”にすぎず、診断の主役は血液検査(血糖値・HbA1c)です
- 初期は無症状がふつう。症状がなくても診断されます
- 血糖値(その時点)とHbA1c(1~2か月の平均)を組み合わせて判断します
- 「糖尿病型」を確認しても、原則は別の日に再検査して確定します
- 「少し高め(境界型)」は黄信号。今が生活を見直すチャンスです
1尿糖が出ていなくても、糖尿病のことがある
「尿糖が陰性だったから大丈夫」と思っていませんか。実は、尿に糖が出るかどうかは、糖尿病の診断に直接は関係しません。
糖尿病とは、血液の中の糖(血糖)が高い状態が慢性的に続く病気です。尿糖はあくまで目安のひとつで、血糖値がある程度以上に高くならないと尿には出てきません。つまり、尿糖が陰性でも、血糖値やHbA1cが高ければ糖尿病と診断されることがあります。
とくに高齢の方では、もともと尿糖が出にくい体質の方もいます。「尿検査ではずっと異常なし」という方が、血液検査で初めて糖尿病と分かるケースも珍しくありません。
2症状がないのに、なぜ糖尿病と診断されるの?
糖尿病の初期は、ほとんどの方に自覚症状がありません。のどが渇く、尿が増えるといった症状が出てくるのは、血糖値がかなり高くなってからのことが多いのです。
むしろ、症状がない段階で見つかることには大きな意味があります。早い段階で対処すれば、合併症を防ぎながらふだんどおりの生活を続けられます。「何も感じていないから」と受診を先延ばしにすると、気づかないうちに体の中で変化が進んでしまいます。健診の血液検査は、まさにこの“無症状の異常”を拾うためにあります。
3診断は血糖値とHbA1cで判断する
糖尿病の診断には、主に2つの血液検査を使います。血糖値は「その時点」の血液中の糖の量を示し、食事や運動の影響を受けます。一方、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、過去1~2か月間の血糖の平均的な状態を反映します。たまたまその日だけ高かったのか、慢性的に高いのかを見分けるため、2つをあわせて確認します。
| 検査 | 糖尿病型の目安 | 何を見ている? |
|---|---|---|
| 空腹時血糖値 | 126 mg/dL 以上 | 朝食前など、空腹時のその時点の血糖 |
| 随時血糖値 | 200 mg/dL 以上 | 食事の時間に関係なく測った血糖 |
| 75g 負荷試験 2時間値 | 200 mg/dL 以上 | 糖を飲んだ後の血糖の上がり方 |
| HbA1c | 6.5% 以上 | 過去1~2か月の平均的な血糖 |
なお、空腹時血糖が110~125 mg/dL の範囲は「正常高値~境界域」と呼ばれ、糖尿病ではないものの注意が必要なゾーンです。
41回の検査だけで決まるの?
血糖値は、体調・ストレス・前日の食事などで変動します。そのため、1回の検査で「糖尿病型」が出ても、原則として別の日にもう一度確認してから確定診断とします。一時的な体調の影響で誤って糖尿病と判断しないための、安全のしくみです。
・同じ採血で、血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型だったとき
・血糖値が糖尿病型で、かつ強いのどの渇き・多尿・体重減少などの症状や糖尿病網膜症があるとき
反対に、HbA1cだけが高い場合は、別の日に血糖値を含めた再検査が必要になります。
5「血糖値が少し高め」と言われたら
結果が「正常」でも「糖尿病」でもない、血糖値が少し高めの状態(境界型・糖尿病予備群と呼ばれることもあります)の方もいます。空腹時血糖110~125 mg/dL、HbA1c 6.0~6.4% あたりが、その目安です。
これは「血糖値の黄信号」です。そして、まだ十分に間に合うタイミングでもあります。食事・運動・体重管理など生活習慣を少し見直すことで、糖尿病への進行を防いだり、遅らせたりできることが多くあります。今すぐ薬が必要というわけではありませんが、何もしないまま数年が経つと、気づかないうちに糖尿病の診断域に入ってしまうことがあります。
「少し高め」と言われたこの時点こそ、生活を見直す一番のチャンスです。何をどう変えればよいかは、HbA1cや体重・血圧・脂質・家族歴なども含めて一緒に考えていきます。
6内臓脂肪が多いと血糖値が上がりやすい
糖尿病と肥満には深い関係があります。インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、おなかのまわりに内臓脂肪が増えると、その働きが悪くなり(インスリン抵抗性)、血糖値が下がりにくくなります。とくに、見た目ではわかりにくいおなかの深部の脂肪が多い方は注意が必要です。
ただし、体重やウエストが基準以下でも糖尿病になることはあります。数字だけで安心せず、血液検査での確認が大切です。
日本内科学会 総合内科専門医(認定番号 029447)
日本神経学会 神経内科専門医(第5474号)・神経内科指導医(第3843号)
日本認知症学会 認知症専門医・指導医/日本老年医学会 老年病専門医
愛媛県今治市立花町1-10-5 TEL 0898-23-2310
- 日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』第1章 糖尿病診断の指針
- 日本糖尿病学会 編・著『糖尿病治療ガイド』(最新版)
- 厚生労働省 標準的な健診・保健指導プログラム
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については必ず医師にご相談ください。
