若くして糖尿病になると認知症リスクは上がる?

若くして糖尿病になるほど、認知症リスクが高い可能性

糖尿病は、血糖値が高くなる病気です。

しかし本当に怖いのは、血糖値そのものよりも、高血糖の状態が長く続くことで、血管や神経に負担がかかることです。

最近では、糖尿病と認知症の関係も注目されています。

今回、米国の研究で、2型糖尿病と診断された年齢が若いほど、その後に認知症を発症するリスクが高い可能性が示されました。

特に、肥満を伴う糖尿病の方では、そのリスクがより高まる可能性も指摘されています。


若くして糖尿病になるほど、認知症リスクが高い可能性

この研究では、50歳以上の2型糖尿病患者を対象に、糖尿病と診断された年齢と、その後の認知症発症リスクとの関係が調べられました。

その結果、70歳以降に2型糖尿病と診断された人と比べて、若い時期に糖尿病と診断された人では、認知症リスクが高い傾向がありました。

具体的には、

50歳未満で糖尿病と診断された人では、認知症リスクが約90%高い
50代で診断された人では、約72%高い
60代で診断された人でも、約70%高い

という結果でした。

また、糖尿病と診断された年齢が1歳若くなるごとに、認知症リスクが少しずつ高くなる傾向も示されています。

つまり、糖尿病は「高齢になってから気をつければいい病気」ではありません。

若い時期から糖尿病があるほど、血管や脳への負担が長く続く可能性がある

ということです。


なぜ若い糖尿病が問題になるのか

若くして2型糖尿病になると、その後の人生の中で、高血糖の影響を受ける期間が長くなります。

糖尿病が長く続くと、

動脈硬化
腎臓病
網膜症
神経障害
心筋梗塞
脳卒中

などのリスクが高くなります。

そして、脳の血管や神経への負担が長く続けば、将来の認知症リスクにも関係する可能性があります。

認知症は、ある日突然起こるものばかりではありません。

長年の血糖、血圧、脂質、体重、喫煙、運動不足などの積み重ねが、将来の脳の健康に影響している可能性があります。


肥満を伴う糖尿病では、さらに注意が必要です

この研究では、肥満を伴う糖尿病患者では、認知症リスクがより高まる可能性も示されています。

肥満があると、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が強くなりやすく、血糖値が上がりやすくなります。

また、肥満は、

高血圧
脂質異常症
脂肪肝
睡眠時無呼吸症候群
慢性炎症

などとも関係します。

つまり、肥満を伴う糖尿病では、血糖だけでなく、血管全体への負担が大きくなりやすいのです。

糖尿病治療では、血糖値を下げるだけでなく、体重、血圧、脂質、睡眠の状態も一緒に見ていくことが大切です。


「まだ若いから大丈夫」ではありません

糖尿病の怖いところは、初期には自覚症状がほとんどないことです。

HbA1cが高くても、血糖値が高くても、すぐに痛みが出るわけではありません。

そのため、

「まだ若いから大丈夫」
「症状がないから様子を見よう」
「仕事が忙しいから後回しでいい」
「薬を飲み始めるのは抵抗がある」

と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、若い時期に糖尿病を放置すると、血管や神経への負担が長期間続くことになります。

糖尿病は、症状が出てから慌てる病気ではなく、症状がないうちから管理する病気です。


健診でHbA1cが高いと言われた方へ

健診で、

HbA1cが高い
血糖値が高い
糖尿病予備群と言われた
尿糖を指摘された
体重が増えてきた
家族に糖尿病の人がいる

このような指摘を受けた方は、一度きちんと確認することをおすすめします。

特に40代、50代で糖尿病や糖尿病予備群を指摘された場合、早めに生活習慣を見直すことが大切です。

「もう少し悪くなったら受診する」ではなく、悪くなる前に対策することが、将来の合併症予防につながります。


糖尿病治療は、将来の脳を守るためにも大切です

糖尿病治療の目的は、単にHbA1cを下げることだけではありません。

将来の、

腎臓

神経
心臓
血管

を守ることが大切です。

今回の研究からも、若くして糖尿病になるほど、認知症リスクが高くなる可能性が示されています。

だからこそ、糖尿病を早く見つけ、早く管理を始めることが重要です。


まとめ

2型糖尿病は、認知症リスクと関係する可能性があります。

特に、若い年齢で糖尿病と診断された人では、その後の認知症リスクが高くなる可能性が示されています。

また、肥満を伴う糖尿病では、さらに注意が必要です。

大切なのは、

若いから大丈夫と思わないこと
症状がなくても放置しないこと
血糖だけでなく体重・血圧・脂質も管理すること
早めに受診し、継続して管理すること

です。

かとう内科では、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、睡眠時無呼吸症候群などを含め、生活習慣病を総合的に診療しています。

健診で血糖値やHbA1cを指摘された方、糖尿病が心配な方は、一度ご相談ください。

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