糖尿病があると認知症リスクは高くなる?

1型糖尿病・2型糖尿病と認知症の関係

糖尿病は、血糖値だけの病気ではありません。

高血糖の状態が長く続くと、血管や神経に負担がかかり、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病、網膜症、神経障害など、さまざまな合併症につながります。

そして近年、糖尿病と認知症との関係も注目されています。

今回、米国の大規模医療データを用いた研究で、糖尿病がある人では認知症リスクが高い可能性が示されました。


2型糖尿病では認知症リスクが約2倍

研究では、糖尿病がない人と比較して、2型糖尿病の人では認知症リスクが約2倍高いという結果でした。

2型糖尿病は、生活習慣、肥満、インスリン抵抗性、加齢などが関係して発症することが多い糖尿病です。

2型糖尿病では、血糖だけでなく、

高血圧
脂質異常症
肥満
睡眠時無呼吸症候群
動脈硬化

などを合併しやすく、これらが脳の血管や神経に影響して、認知症リスクに関係している可能性があります。


1型糖尿病ではさらに高リスクの可能性

今回の研究で特に注目されるのは、1型糖尿病の人では、認知症リスクがさらに高い可能性が示された点です。

糖尿病がない人と比べて、1型糖尿病では認知症リスクが3倍近いという結果でした。

1型糖尿病は、膵臓からインスリンが出にくくなる、あるいはほとんど出なくなるタイプの糖尿病です。

これまで1型糖尿病は若い世代の病気というイメージが強く、認知症との関係は十分に調べられていませんでした。

しかし、糖尿病治療の進歩により、1型糖尿病の方も長く生活できる時代になっています。

そのため、これからは1型糖尿病でも、長期的な合併症として認知症リスクを意識する必要があるかもしれません。


なぜ糖尿病で認知症リスクが高くなるのか

糖尿病と認知症の関係には、いくつかの要因が考えられます。

例えば、

高血糖による血管障害
動脈硬化の進行
脳の小さな血管へのダメージ
インスリン抵抗性
低血糖の繰り返し
高血圧や脂質異常症の合併

などです。

認知症というと、アルツハイマー型認知症を思い浮かべる方が多いですが、脳梗塞や脳の血管障害が関係する血管性認知症もあります。

糖尿病は、まさに血管に負担をかける病気です。

つまり糖尿病の管理は、血糖値を下げるだけでなく、将来の脳を守ることにもつながる可能性があります。


大切なのは「血糖だけ」を見ないこと

糖尿病治療では、HbA1cや血糖値がもちろん大切です。

しかし、認知症予防まで考えるなら、血糖だけを見ていては不十分です。

大切なのは、

血糖
血圧
LDLコレステロール・中性脂肪
体重
睡眠時無呼吸
喫煙
運動習慣

をまとめて管理することです。

特に糖尿病の方では、脳梗塞や心筋梗塞の予防も同時に考える必要があります。

糖尿病は「血糖の病気」であると同時に、血管を守る病気として考えることが大切です。


まとめ

今回の研究では、糖尿病がある人では認知症リスクが高い可能性が示されました。

特に、2型糖尿病では約2倍、1型糖尿病では3倍近いリスク上昇が示唆されています。

もちろん、この研究だけで「糖尿病が直接認知症を起こす」と断定できるわけではありません。

しかし、糖尿病をしっかり管理することが、将来の認知症予防にも関係する可能性は十分にあります。

糖尿病治療では、血糖値だけでなく、血圧、脂質、体重、睡眠、喫煙、運動習慣まで含めて、総合的に管理していくことが大切です。

かとう内科では、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、睡眠時無呼吸症候群などを含め、生活習慣病を総合的に診療しています。

将来の心臓、血管、腎臓、そして脳を守るためにも、糖尿病を早めに、そして継続的に管理していきましょう。

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