• トップ
  • ブログ
  • 「そんなに太ってないのに糖尿病?」日本人に多い内臓脂肪型の落とし穴

「そんなに太ってないのに糖尿病?」日本人に多い内臓脂肪型の落とし穴

血糖・脂肪肝・中性脂肪・いびきは、別々ではなくつながっていることがあります

「先生、そんなに太ってないのに糖尿病なんですか?」

外来で、実際によくある質問です。

糖尿病というと、かなり体重が多い人の病気というイメージがあるかもしれません。
健診で血糖値やHbA1cを指摘された。
中性脂肪も高い。
脂肪肝もあると言われた。
血圧も少し高い。

でも、自分ではそこまで太っているつもりはない。

このような方は少なくありません。

実は日本人では、見た目にはそれほど太っていなくても、2型糖尿病になることがあります。
その背景として大事なのが、内臓脂肪です。


「体重」だけ見ていると見落とすことがあります

肥満というと、まず体重を思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん体重は大切です。
ただ、糖尿病や生活習慣病では、体重だけでは分からないことがあります。

大事なのは、
どこに脂肪がついているか
です。

脂肪には、皮膚の下につく「皮下脂肪」と、お腹の中の内臓まわりにつく「内臓脂肪」があります。

特に内臓脂肪が増えると、血糖値、血圧、脂質、肝臓、尿酸などに影響が出やすくなります。

つまり、

「体重はそこまで多くない」
「でもお腹まわりは出てきた」
「健診でいろいろ引っかかるようになった」

このような状態は、注意が必要です。


日本人は、BMIが高くなくても糖尿病になることがあります

一般的には、BMIが25以上だと「肥満」と判定されます。

しかし日本人では、BMIが25未満でも糖尿病を発症する方がいます。

これは、日本人を含む東アジア人では、余ったエネルギーを皮下脂肪としてためる力が比較的弱く、内臓脂肪がたまりやすい傾向があるためと考えられています。

だからこそ、

「太っていないから大丈夫」
とは言い切れません。

むしろ、若い頃より体重が少し増えた、お腹だけ出てきた、健診で血糖や脂質を指摘されるようになった、という変化の方が大事なことがあります。


血糖、脂肪肝、中性脂肪、いびきは別々の問題ではないかもしれません

健診結果を見ると、

血糖値が高い
HbA1cが高い
中性脂肪が高い
脂肪肝がある
血圧が高い
尿酸値が高い

このような項目が、いくつか一緒に引っかかっていることがあります。

さらに、いびきが大きい、日中眠い、睡眠時無呼吸がある、という方もいます。

これらは一見バラバラに見えますが、内臓脂肪を背景にしてつながっていることがあります。

糖尿病は、血糖値だけの病気ではありません。

血糖、体重、腹囲、血圧、脂質、肝臓、腎臓、睡眠。
こうしたものをまとめて見ていく必要があります。


「まず3%」でも意味があります

減量というと、10kg、20kgやせなければ意味がないと思う方もいます。

でも、最初からそこを目指す必要はありません。

日本人では、体重を3%程度減らすだけでも、血糖、血圧、脂質などの改善につながることがあります。

たとえば、

体重70kgなら、約2kg。
体重80kgなら、約2.5kg。

もちろん、病状によって目標は変わります。
ただ、「少ししか減っていないから意味がない」と考える必要はありません。

糖尿病や肥満症の治療では、無理な減量よりも、続けられる改善が大切です。


体重の話は、責めるためにするものではありません

体重やお腹まわりの話をされると、責められているように感じる方もいるかもしれません。

でも、医療機関で体重の話をする目的は、患者さんを責めることではありません。

血糖値が上がった原因を探すため。
今後の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるため。
睡眠時無呼吸や脂肪肝など、隠れた問題を見つけるため。
薬だけに頼らず、体全体をよくしていくため。

そのために、体重や内臓脂肪の話をします。

糖尿病も肥満症も、単なる自己責任で片付ける病気ではありません。
体質、年齢、仕事、睡眠、ストレス、食事環境、生活リズムなど、いろいろな要因が重なって起こります。

だからこそ、一人で抱え込まず、医学的に評価していくことが大切です。


血糖値だけでなく全身を治療する

糖尿病の診療において、HbA1cや血糖値だけでなく、体重、腹囲、血圧、脂質、肝機能、腎機能、尿酸、睡眠時無呼吸症候群なども含めて確認することが大切です。

糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、肥満症、睡眠時無呼吸症候群は、それぞれ別々の病気に見えて、実はつながっていることがあります。

健診で血糖値やHbA1cを指摘された方。
中性脂肪や脂肪肝を指摘された方。
お腹まわりが気になってきた方。
いびきや日中の眠気が気になる方。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、一度ご相談ください。

早めに全体像を確認することで、今後の治療方針を立てやすくなります。


まとめ

日本人では、見た目にそれほど太っていなくても、内臓脂肪がたまり、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群につながることがあります。

糖尿病は、血糖値だけを見る病気ではありません。

体重。
お腹まわり。
血圧。
脂質。
肝臓。
腎臓。
睡眠。

これらをまとめて見ることで、より現実的な治療につながります。

糖尿病外来トップページはこちら

PAGE TOP