キャップバックス®(成人用肺炎球菌ワクチン)とは?効果・対象者・副反応まで医師が解説

65歳以上・持病のある成人が肺炎を防ぐために選ぶべき新しいワクチンです

💚 成人の肺炎予防に。キャップバックス®(Capvaxve™)について

— Katoh Clinic(かとう内科)より —

キャップバックス®は、初めて“成人に特化して開発された”肺炎球菌ワクチンです。
2024年の最新データでは、成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となった血清型の 約80.3%をカバー していることが明らかになりました。

小児向けワクチンが普及して以降、成人の肺炎球菌の“型”が変化してきたため、
いまの大人を守るために作られた新しいワクチンが、このキャップバックス®です。


■ キャップバックス®を接種できる方

以下のいずれかに当てはまる方が対象です。

65歳以上の方

肺炎球菌による重い病気になりやすい18歳以上の成人

具体的には次のような持病をお持ちの方:

  • 慢性心疾患(心不全・心筋症など)

  • 慢性肺疾患(COPD・喘息など)

  • 糖尿病

  • 慢性肝疾患

  • 慢性腎疾患

  • がん治療中

  • 免疫が低下している方
    など


■ なぜキャップバックス®が必要なのか?

日本人を対象としたデータでは、肺炎球菌性肺炎を発症するリスクは以下のように上昇します:

  • 65歳以上:3.2倍

  • 慢性肺疾患:5.2倍

  • 慢性心疾患:2.6倍

  • 慢性腎疾患:2.6倍

  • 慢性肝疾患:2.1倍

  • 糖尿病:1.9倍

  • がん:1.7倍

「年齢」や「持病」は自分では変えられません。
だからこそ、ワクチンによる予防が重要になります。
 

 


■ 他の肺炎球菌ワクチンを接種している方へ

過去に以下を接種した方も対象です:

  • ニューモバックス®NP(PPSV23)

  • プレベナー13®(PCV13)

  • プレベナー20®(PCV20)

ただし、前回接種から1年以上あける必要があります。


■ インフルエンザワクチンなどとの同時接種

インフルエンザワクチン、新型コロナワクチンなど、肺炎球菌以外のワクチンとは同時接種が可能です。
来院回数を減らしたい方にも便利です。

※同じ注射器で混ぜることはできません。


■ 肺炎を完全に防ぐわけではありません

キャップバックス®を接種しても すべての肺炎を100%防げるわけではありません。
しかし、

重症化を防ぐ
入院リスクや命に関わるリスクを減らす

という大きなメリットがあります。

ワクチンに加えて、手洗い・うがい・マスク・持病の管理などが、さらに予防効果を高めます。


🔬 キャップバックス®の特徴

■ 成人で多い肺炎球菌の型を80.3%カバー

(2024年国内データより。血清型15Bを除く値)

全国の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)のデータ2,671例を分析した結果、
成人で実際に問題となっている血清型をしっかりカバーするよう作られています。


💉 臨床試験で分かったキャップバックス®の効果

● ワクチン未接種の50歳以上

→ 11血清型のうち 10種類でPCV20より強い反応(海外第Ⅲ相 STRIDE-3)

● ワクチン未接種の65歳以上

8種類でPPSV23より強い免疫反応(国内第Ⅲ相 STRIDE-9)

● 過去に他の肺炎球菌ワクチンを接種した50歳以上

21血清型すべての免疫が上昇(国際共同第Ⅲ相 STRIDE-6)

つまり →
“初めて打つ人”も、“以前ワクチンを打った人”も、しっかり免疫がつくことが確認されています。


⚠️ 副反応について

■ まれに起こるもの

  • ショック

  • アナフィラキシー

■ よくある副反応

  • 注射部位の痛み(36%)

  • 発赤・腫れ

  • 頭痛(10%以上)

  • 疲労(10%以上)

  • 発熱(38℃以上)

ほとんどは1~2日で軽快します。


💬 キャップバックス® よくあるご質問(Q&A)

Q1. キャップバックス®ってどんなワクチンですか?

A. 肺炎の原因になる「肺炎球菌」という細菌から、主に大人を守るために作られた肺炎球菌ワクチンです。
65歳以上の方や、心臓・肺・腎臓・肝臓の病気、糖尿病、がん治療中などで肺炎が重症化しやすい方の感染・重症化を予防する目的で使われます。


Q2. 誰が接種の対象になりますか?

A. 大きく分けて次の2つのグループです。

  1. 65歳以上の方

  2. 肺炎球菌による病気が重くなりやすいリスクが高い18歳以上の方
     (慢性心疾患・慢性肺疾患・慢性腎疾患・慢性肝疾患・糖尿病・免疫が下がる病気や治療中・脾臓がない/よく働いていない方・がん治療中 など)

「自分は対象かな?」と迷う場合は、受診の際に医師にご相談ください。


Q3. 何回打てばいいですか? 何年ごとに打ち直しが必要ですか?

A. キャップバックス®は1回0.5mLを筋肉注射で接種します。
現時点では、同じワクチンを繰り返し打つ(再接種する)必要があるとは示されていません。どのくらい効果が続くかは、まだはっきりとは分かっていないため、今後新しい情報が出たら、またご案内します。


Q4. 以前ニューモバックス®や他の肺炎球菌ワクチンを受けました。キャップバックス®も打てますか?

A. はい、過去に他の肺炎球菌ワクチンを接種した方でも、一定期間あいていれば接種可能です。
一般的には、前回の肺炎球菌ワクチンから1年以上たっていることを目安にしています。
詳しい接種歴や間隔については、診察時に確認させていただきますので、可能であればお薬手帳をご持参ください。


Q5. インフルエンザワクチンなど、他のワクチンと同時に打っても大丈夫ですか?

A. はい、医師が必要と判断した場合は、他のワクチンと同時接種が可能です。
たとえば、インフルエンザワクチン、新型コロナワクチンなどと同じ日に別の場所に分けて接種できます。
※同じ注射器に混ぜて打つことはできません。


Q6. 卵アレルギーや食物アレルギーがあっても接種できますか?

A. キャップバックス®には卵・ゼラチン・ペニシリンなどの抗生物質は含まれていません。これまでにキャップバックス®、似たタイプの肺炎球菌ワクチン、ジフテリアトキソイドで重いアレルギー反応(アナフィラキシーなど)を起こしたことがなければ、基本的には接種可能です。ただし、予防接種後に強い発疹や高熱が出たことがある方、アレルギー体質の方は、問診の際に必ずお知らせください。安全を最優先に、接種するかどうか個別に判断します。


Q7. どんな副反応がありますか?

A. 多くは1~2日でおさまる軽い症状です。主なものは①注射した部分の痛み・赤み・はれ、②だるさ、軽い頭痛、③38℃以上の発熱、④筋肉痛などです。


Q8. 肺炎で入院したあと、どのくらい間をあければ接種できますか?

A. 明確な「○週間あける」という決まりはありません。熱が下がり、全身状態が落ち着いてから相談して接種時期を決めます。退院時や外来受診の際に「肺炎球菌ワクチンも検討したい」とお伝えいただくとスムーズです。


Q9. ステロイドや免疫抑制剤を飲んでいますが、接種してもよいですか?

A. 免疫を抑えるお薬を使っていると、ワクチンの効き方が弱くなる可能性があります。
それでも、肺炎になると重症化しやすい方が多いため、現在の病気の状態、治療の内容・スケジュール、感染リスクを踏まえて、**「今打つか」「治療が落ち着いてからにするか」**を判断します。受診の際には、内服中のお薬がわかるもの(お薬手帳など)をお持ちください。


Q10. 公費の定期接種ですか? 自費になりますか?

A. 現在、キャップバックス®は定期接種(自治体負担の公費接種)の対象ではありません。そのため、**原則として自費(任意接種)**となります。料金は13000円です。


Q11. どのくらい肺炎を防げますか? これだけ打っておけば安心ですか?

A. キャップバックス®は、肺炎球菌の中でも特に成人で問題になりやすい型をカバーするように設計されていますが、すべての肺炎球菌、肺炎球菌以外の細菌やウイルスによる肺炎を完全に防ぐことはできません。それでも、重症の肺炎や血液に菌が回るような重い感染症のリスクを下げることが期待されるワクチンです。ワクチンに加えて、うがい・手洗い、マスクの活用、禁煙や適切な持病のコントロールなどを組み合わせることで、肺炎の予防効果はさらに高まります。


💚 2025年9月からの肺炎球菌ワクチンの新しい接種方法について

(65歳以上の成人向け:日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会 合同委員会)

2025年9月から、65歳以上の肺炎球菌ワクチンは新しい制度に変わります。
これまで以上に分かりやすく、効果的な接種スケジュールになりますので、ここで簡単にご説明します。

✔ まず大きく2つのグループに分かれます

PPSV23(ニューモバックス®NP)をまだ接種したことがない方

定期接種(公費)の対象になります

PPSV23をすでに接種したことがある方

今後は任意接種(自費)での対応になります


【① PPSV23を受けていない方(初回の65歳)】

2025年9月以降、65歳の定期接種では
PCV20 または PCV21(いずれも新しい肺炎球菌ワクチン)
が選べるようになります。

どちらも「1回接種で完結」するワクチンで、今後の主流になるものです。

必要に応じて、追加でPPSV23を希望する場合は
1年以上あけて 任意接種として受けられます。


【② PPSV23をすでに接種している方】

過去にニューモバックス®NP(PPSV23)を接種したことがある場合は、
今後は 任意接種(自費) で以下のワクチンを選べます。

  • PCV20

  • PCV21

  • PCV15

接種する場合は、前回のPPSV23から 1年以上あける ことが必要です。


💡 新しい制度のポイント(分かりやすく)

  • PCV20・PCV21は 1回で完結 する最新のワクチン

  • 今後は PCV20 / PCV21 単独接種が標準になっていく

  • PPSV23との「2回セット接種」は、以前ほど強く推奨されない

  • PCV21は2025年9月にスタート予定の さらにカバー範囲の広い新ワクチン


🌿 Katoh Clinic からのメッセージ

当院では、
65歳以上の方・持病のある方へのキャップバックス®接種を推奨しています。肺炎は、早めの予防が何より大切です。気になる方は、いつでもご相談ください。

💚 予約不要(Walk-in OK)
💚 他のワクチンと同時接種できます

PAGE TOP